专利摘要:
要約 ABCRタンパク質をコードするアデノ随伴ウイルスベクターを、その必要がある対象に投与することにより、ABCA4遺伝子の突然変異に関連する疾患を処置するための方法;この方法で使用される遺伝子構築物およびアデノ随伴ウイルスベクター。
公开号:JP2011512145A
申请号:JP2010547119
申请日:2009-02-23
公开日:2011-04-21
发明作者:アルベルト オーリッチオ、
申请人:フォンダジオーネ テレソンFondazione Telethon;
IPC主号:C12N15-09
专利说明:

[0001] 本発明は、ABCR(「ATP結合カセットトランスポーター−レチナール(ATP−binding cassette transporter−retinal)」)タンパク質をコードするアデノ随伴ウイルスベクターを、その必要がある対象に投与することにより、ABCA4遺伝子の突然変異に関連する疾患を処置するための方法を提供する。本発明はまた、この方法で使用される遺伝子構築物およびアデノ随伴ウイルスベクターも含む。]
背景技術

[0002] 発明の背景
スタルガルト病(Deutman, A.F.a.H.C.B. 2001. Macular dystrophies. St Louis, Missouri, Usa: Schachat, A.P. 1210-1257 pp.)(STGD)は、可変レベルの中心視力の低下に至る、両眼の中心窩にある錐体の進行性消失からなる黄斑変性症のグループに含まれる常染色体劣性遺伝性疾患である。眼底検査では、黄色斑眼底と呼ばれる状態である、黄斑の周囲の黄色みがかった斑点の存在が頻繁に観察される。これは通常、7歳〜12歳の年齢で発症し、10000人に1人の罹患率と推定される。これにより、この疾患は、人生の最初の10年間および次の10年間のうちに光受容体細胞に影響を及ぼす遺伝性黄斑変性の最大の原因となり、全ての網膜ジストロフィーのうちの7%に相当する。この疾患は、常染色体劣性遺伝性疾患として最初に報告されたが、優性形式の症例がいくつか報告されている。劣性形式は、症例の90%を超え、染色体1q21−p13での欠損が原因である。優性形式は、6番染色体での変化に関係があると考えられているが、いくつかの研究では12番染色体上の位置も報告されている。]
[0003] 劣性のスタルガルト病の原因遺伝子は、ATP結合カセット(ABC)トランスポーターファミリーの1つのメンバーであるABCRタンパク質をコードするABCA4遺伝子と同定されている(Allikmets, R., et al. 1997. A photoreceptor cell-specific ATP-binding transporter gene (ABCR) is mutated in recessive Stargardt macular dystrophy. Nat Genet 15:236-246)。これは光受容体において発現し、外節円板の縁に局在化している。]
[0004] ABCA4の突然変異に関連する他の疾患としては、錐体桿体ジストロフィー(Maugeri, A., et al, 2000, "Mutations in the ABCA4 (ABCR) gene are the major cause of autosomal recessive cone-rod dystrophy" Am J Hum Genet 67:960-966.)および網膜色素変性(Cremers, F.P. et al, 1998. "Autosomal recessive retinitis pigmentosa and cone-rod dystrophy caused by splice site mutations in the Stargardt's disease gene ABCR" Hum Mol Genet 7:355-362、Martinez-Mir et al, 1998. "Retinitis pigmentosa caused by a homozygous mutation in the Stargardt disease gene ABCR" Nat Genet 18:11-12)が挙げられる。重要なことは、ヒトでのヘテロ接合型ABCA4突然変異(Allikmets, R. et al. 1997 “Mutation of the Stargardt disease gene (ABCR) in age-related macular degeneration" Science 277:1805-1807)が、高齢者にとって最も一般的な失明に至る病である加齢性黄斑変性(AMD)に関連付けられていることである。(Seddon, J.M. 2001. Epidemiology of Age-Related Macular Degeneration. St Louis, Missouri., USA: Schachat, A.P. 1039-1050 pp)。]
先行技術

[0005] Deutman, A.F.a.H.C.B. 2001. Macular dystrophies. St Louis, Missouri, Usa: Schachat, A.P. 1210-1257 pp.
Allikmets, R., et al. 1997. Nat Genet 15:236-246
Maugeri, A., et al, 2000, Am J Hum Genet 67:960-966.
Cremers, F.P. et al, 1998. Hum Mol Genet 7:355-362、
Martinez-Mir et al, 1998. Nat Genet 18:11-12
Allikmets, R. et al. 1997 Science 277:1805-1807
Seddon, J.M. 2001. St Louis, Missouri., USA: Schachat, A.P. 1039-1050 pp]
発明が解決しようとする課題

[0006] 発明の説明
本発明は、AAV5キャプシドを有する、ABCA4をコードするアデノ随伴ウイルスベクターの投与、好ましくは眼内投与によって、桿体外節へのタンパク質の局在化と、Abca4−/−網膜の有意であり安定な形態学的および機能的改善とが生じることの発見に基づく。特に、STGDの動物モデルにおいて、rAAV2/5−CMV−Abca4の網膜下への送達によって、リポフスチンレベル、RPEの異常、および網膜機能の有意な修正が生じることが見出された。]
[0007] これらの発見によって、最も一般的な遺伝性黄斑変性である劣性スタルガルト病、ならびに錐体桿体ジストロフィー、網膜色素変性、および高齢者について最も一般的な失明に至る病である加齢性黄斑変性(AMD)のような、ABCA4の突然変異に関連する他の疾患に対する有効な治療的手法が提供される。]
[0008] したがって、第1の態様では、本発明は、哺乳動物対象、特に、ABCA4遺伝子の突然変異に関連する疾患に罹患しているヒト個体の網膜の異常および/または網膜機能を修正するための方法を対象とし、前記疾患は、劣性スタルガルト病、錐体桿体ジストロフィー、網膜色素変性、および加齢性黄斑変性(AMD)から選択されることが好ましく、本発明の方法は、
1)AAV5キャプシドを有する組換えアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを提供するステップであって、前記ベクターは、機能性ABCRタンパク質をコードする核酸分子を含む発現カセットを有し、ここでは、前記核酸分子は、その転写および翻訳を指示する調節制御エレメントに作動可能に連結している、ステップと、
2)光受容体細胞に前記組換えAAVベクターを形質導入し、それによって、ABCRタンパク質の発現が前記細胞中で誘導されるステップと
を含む。]
[0009] AAV5キャプシドを有するベクターは、他の血清型よりも効率よく、9kbまで、好ましくは、約4.7kb〜9kbのゲノムをパッケージングすることができることが証明されており、したがって、本発明によるABCA4遺伝子の送達にそれらを使用することが好ましい。網膜下の空間への送達に好ましく、適切な分子量および生物学的活性の機能性ABCRタンパク質の産生を生じる、組換えAAV2/5ベクターが特に好ましい。]
[0010] 「機能性ABCRタンパク質」は、出願人は、ABCRタンパク質が天然のタンパク質の機能を示すこと、例えば、このタンパク質が、光受容体細胞に機能を提供するために十分にインビボでATPを結合することを意味する。好ましくは、機能性ABCRタンパク質は、天然のタンパク質の機能の少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%を示す。機能的活性の決定は、例えば、引用により本明細書中に組み入れられるSun et al., Nature Genetics 26, 242-246 (2000)に記載されている手順に従って行うことができる。]
[0011] 本発明の目的のためには、ABCA4のコード配列(これは、配列番号1(ヒト)および配列番号6(マウス)から選択されることが好ましい)、または遺伝子コードの縮重による同じアミノ酸配列をコードする配列が、哺乳動物の網膜細胞中、特に、光受容体細胞中にある、その発現を調節することができるプロモーター配列に機能的に連結している。本発明に従って使用することができる適切なプロモーターとしては、CMVプロモーター(配列番号2)、ヒトRHOプロモーター(配列番号3)、ヒトABCA4プロモーター(配列番号4)、およびCBAプロモーター(配列番号5)、転写プロモーター活性を保持しているそれらの断片および変異体が挙げられる。]
[0012] AAVベクターの構築は、以下の手順に従って、当業者に公知の技術を使用して行うことができる。アデノ随伴ウイルスベクターの構築のための理論および実施方法、ならびに治療における使用は、いくつかの科学的および特許刊行物の中で説明されている(以下の参考文献が、引用により本明細書中に組み入れられる:Flotte TR. Adeno-associated virus-based gene therapy for inherited disorders. Pediatr Res. 2005 Dec;58(6):1143-7、Goncalves MA. Adeno-associated virus:from defective virus to effective vector, Virol J. 2005 May 6;2:43、SuraceEM, Auricchio A. Adeno-associated viral vectors for retinal gene transfer. Prog Retin Eye Res. 2003 Nov;22(6):705-19、Mandel RJ, ManfredssonFP, Foust KD, Rising A, Reimsnider S, Nash K, Burger C. Recombinant adeno-associated viral vectors as therapeutic agents to treat neurological disorders. Mol Ther. 2006 Mar;13(3):463-83)。]
[0013] さらなる態様では、本発明は、(好ましくは、眼投与に適した形態の)ABCA4をコードする配列を発現するAAVベクターを含む医薬組成物に関する。適した投与形態としては、注射剤または懸濁剤、点眼薬、および眼軟膏が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい実施形態では、AAVベクターは、網膜下注射によって、例えば、網膜下空間への、前房への、または眼球後部空間への注射によって投与される。ウイルスベクターは、(Bennicelli J, et al Mol Ther. 2008 Jan 22; Reversal of Blindness in Animal Models of Leber Congenital Amaurosis Using Optimized AAV2-mediated Gene Transferに記載されている)網膜下へのアプローチによって送達されることが好ましい。]
[0014] 治療で使用されるウイルスの用量は、投与経路、疾患の重篤度、患者の全身状態、および他の臨床的パラメーターに応じて個別に決定されるべきである。一般的には、適切な投与量は、109vg(ベクターゲノム)/眼から1013vg/眼まで様々である。
図面の簡単な説明
図1.rAAV2/5−CMV−Abca4のゲノムの完全性。(A)rAAVラージプレップから直接単離し(2.5×1010GC/レーン)、アルカリアガロースゲル上で分離させたベクターDNAのサザンブロット分析。レーン1は、pAAV2.1−CMV−Abca4プラスミドから制限酵素消化によって得られたマーカーDNA断片を含み、レーン2は、DnaseI活性の対照とした、DnaseIで消化したレーン1と同じDNA断片を含み、レーン3およびレーン4はrAAV2/5−CMV−Abca4から単離したゲノムである。レーン3の試料をDnaseIで処理した。(B)インビボ送達後のrAAV2/5−CMV−Abca4ゲノムの長さの評価。(上のパネル)サザンブロット分析に使用した2つのプローブでのrAAV2/5−CMV−Abca4ゲノムの模式図。(中央のパネル)NcoIおよびNotI(レーン1およびレーン2)で、またはNcoIだけ(レーン3およびレーン4)で消化した、注射していない筋肉由来のゲノムDNA(レーン1およびレーン3)と、rAAV2/5−CMV−Abca4を注射したマウスの筋肉由来の等量のゲノムDNA(レーン2およびレーン4)のサザンブロット分析。これらのレーンは同じゲルにあるが、連続していない。矢印は予想した大きさのバンドを示す。(下のパネル)ローティング対照として使用したPDE6B遺伝子に特異的なプローブでのサザンブロット分析。分子量を左側に示す。(C)rAAV2/5を形質導入したCos細胞由来の溶解物の抗ABCA4抗体(上のパネル)または抗αチューブリン抗体(下のパネル)を用いたウェスタンブロット分析。レーン1:野生型マウス由来の網膜、レーン2:rAAV2/5−CMV−Abca4を形質導入した試料、レーン3:rAAV2/5−CMV−EGFPを形質導入した試料。抗αチューブリンをローティング対照(loading control)として使用した。ロードしたタンパク質の量(マイクログラム、μg)を、それぞれのレーンの下に示す。] 図1
[0015] 図2.rAAV2/5の送達後のABCA4の発現。] 図2
[0016] rAAV2/5を形質導入したAbca4−/−網膜由来の溶解物のABCA4(下のパネル)の、抗ABCA4抗体(上のパネル)、抗αチューブリン抗体(中央のパネル)、および8−アジド−[α−32P]−ATPでの標識を用いたウェスタンブロット分析。レーン1:野生型マウス由来の網膜、レーン2:rAAV2/5−CMV−Abca4を形質導入した試料、レーン3:rAAV2/5−CMV−EGFPを形質導入した試料。抗αチューブリンをローディング対照として使用した。ロードしたタンパク質の量(マイクログラム、μg)をそれぞれのレーンの下に示す。]
[0017] 図3.rAAVに媒介される遺伝子導入後のAbca4−/−網膜の形態学的分析。(A)1カ月齢でrAAV2/5−CMV−EGFPを網膜下に注射した4カ月齢のAbca4+/+マウスおよびAbca4−/−有色マウス由来の網膜の切片、ならびにrAAV2/5−CMV−Abca4を網膜下に注射した対側眼の、抗ABCA4(Rim 3F4)抗体での免疫組織化学的分析。RPE:網膜色素上皮、OS:外節(光受容体)、ONL:外顆粒層、INL:内顆粒層、GCL:神経節細胞層。倍率20倍。(B)5カ月齢のAbca4−/−有色マウス由来の網膜色素上皮の電子顕微鏡分析。1カ月齢でrAAV2/5−CMV−EGFPを網膜下に注射した一方の眼(左)、およびrAAV2/5−CMV−Abca4を網膜下に注射した対側眼(右)由来の網膜色素上皮(RPE)。Ch、脈絡膜;BrM、ブルッフ膜。白色の矢印は、より大きな楕円形のメラノソームとは区別される、不規則な形状のリポフスチン色素顆粒を示す。顕微鏡写真は同じ倍率(6000倍)で撮影した。(C)rAAV2/5−CMV−EGFPまたはrAAV2/5−CMV−Abca4を網膜下に注射したAbca4+/+マウスまたはAbca4−/−マウス(n=2個の眼/グループ)のRPEにおけるリポフスチン顆粒の数(左)およびRPEの厚み(右)。] 図3
[0018] 図4.rAAV2/5−CMV−Abca4を注射したAbca4−/−マウスにおけるリポフスチンレベルの低下と光受容体の脱感作からの改善された回復。(A)Abca4−/−マウスの網膜中でのリポフスチンの蓄積に対するrAAV2/5に媒介されるAbca4遺伝子の導入の影響。生後30日目に、rAAV2/5−CMV−Abca4を一方の眼(灰色の棒)に注射し、rAAV2/5−CMV−EGFPを対側眼(白色の棒)に注射した、それぞれ、4カ月齢および6カ月齢のアルビノマウスおよびAbca4−/−有色マウスの眼杯の中での、A2E(A2Eとイソ−A2Eとの合計)レベル、atRALdi−Eレベル、ならびにatRALdi−PEレベル。月齢が一致するアルビノBalb/cマウスおよび有色Abca4+/+マウスを斜線付きの棒に示す。値は、それぞれ4個の眼杯を含む2つの別々の試料の平均である。(B)rAAV2/5−CMV−Abca4で処置したAbca4−/−マウスにおける光受容体の脱感作からの回復の遅れの救出(rescue)。rAAV2/5−CMV−Abca4(赤色の三角、n=4個の眼)またはrAAV2/5−CMV−EGFP(緑色の四角、n=4個の眼)のいずれかを網膜下に注射した4カ月齢のAbca4−/−マウスにおける、および月齢が一致する野生型Balb/cマウス(黒色の丸、n=10個の眼)におけるb波の振幅を消し去り(bleaching)後の進行性の回復。データは、平均±標準誤差として示す。アスタリスクは統計学的有意差を示す(P≦0.05)。] 図4
図面の簡単な説明

[0019] rAAV2/5−CMV−Abca4のゲノムの完全性を示す図である。
rAAV2/5の送達後のABCA4の発現を示す図である。
rAAVに媒介される遺伝子導入後のAbca4−/−網膜の形態学的分析を示す図である。
rAAV2/5−CMV−Abca4を注射したAbca4−/−マウスにおけるリポフスチンレベルの低下と光受容体の脱感作からの改善された回復を示す図である。実験のセクション方法プラスミド構築物の作製 EGFPおよびABCA4をコードするrAAVの生産のために、pAAV2.1−CMV−EGFP(Auricchio, A., et al. J.M. 2001. Isolation of Highly Infectious and Pure Adeno-Associated Virus Type 2 Vectors with a Single-Step Gravity-Flow Column. Hum Gene Ther 12:71-76)とpZac2.1−CMV−Abca4プラスミドとを使用した(NC001347.3 nt174661〜nt175243に由来するCMV配列)。pZac2.1−CMV−Abca4は、pZac2.1プラスミド(Gao, G., et al. J.M. 2000. Purification of recombinant adeno-associated virus vectors by column chromatography and its performance in vivo. Hum Gene Ther 11:2079-2091)中のEcoRI部位とSalI部位との間にマウスAbca4cDNA(コード配列、ならびに、いくつかの5’UTR領域および3’UTR領域を含む7268bp)をクローニングすることによって得た。Abca4 cDNAは、EcoRI酵素とXhoI酵素とでの消化によってpBluescriptSK(−)Abca4プラスミドから得た。動物モデルとベクターの投与動物についての全ての手順は、動物実験に関する機関の指針に従って行った。Balb/cマウス[Rpe65 Leu450(44)についてホモ接合型]、Shaker 1マウス[C57BL/6HNSDバックグラウンド上にある有効なヌル突然変異である4626SB対立遺伝子を有する(Gibson, F. et al., S.D. 1995. A type VII myosin encoded by the mouse deafness gene shaker-1. Nature 374:62-64)]、ならびに野生型C57/BL6マウスおよびBalb/cマウス(Harlan Italy)との交配の成功および戻し交配によって作製された、有色マウス(Weng, J., et al., G.H. 1999. Insights into the function of Rim protein in photoreceptors and etiology of Stargardt's disease from the phenotype in abcr knockout mice. Cell 98:13-23)とアルビノAbca4−/−マウス(Radu, R.A., et al., G.H. 2004. Light exposure stimulates formation of A2E oxiranes in a mouse model of Stargardt's macular degeneration. Proc Natl Acad Sci U S A 101:5928-5933)とを使用した。網膜下注射または筋肉内注射のいずれかを行った。網膜下へのベクターの投与を、記載されているように(Liang, F.Q. et al., J. 2000. Intraocular delivery of recombinant virus. MethodsIn Molecular Medicine 47:125-139)、1カ月齢のAbca4−/−マウスに行った。網膜下投与と筋肉内注射には40μMのプロテオソーム阻害剤(LnLL,Sigma Aldrich)を、図1Bおよび図3に示す実験のためにrAAV形質導入を増加させるために補充した(Grieger, J.C., and Samulski, R.J. 2005. Packaging capacity of adeno-associated virus serotypes: impact of larger genomes on infectivity and postentry steps. J Virol 79:9933-9944)。AAVに媒介される形態学的および機能的救出の評価を目的としたインビボでの実験(図3および図4)には、プロテオソーム阻害剤は使用しなかった。ベクターの投与の前に、マウスを、2ml/100g体重のアベルチンの腹腔内注射で麻酔した(Papaioannou, V.E., and Fox, J.G. 1993. Efficacy of tribromoethanol anesthesia in mice. Lab Anim Sci 43:189-192)。その後、マウスに2μlのrAAV2/5−CMV−Abca4(1.2×109GC)を右眼に注射した。同じ用量のrAAV2/5−CMV−EGFPを、ネガティブ対照として左眼に送達した。筋肉内(IM)注射を、150μlのrAAV2/5−CMV−Abca4(9×1010GC)を用いてC57/BL6マウスの右腓腹筋に行った。統計分析データは、平均±標準誤差として表わす。Studentt検定分析、ANOVA、および多重度についてのボンフェローニの調整を用いた多重比較検定を、統計学的有意性を示しているかどうかを決定するために使用した。rAAVベクターDNAのサザンブロット分析 DNAを、2.5×1010個のウイルス粒子(ゲノムのコピー数として測定した)から抽出した。パッケージングされていないゲノムを消化するために、ベクター溶液を、50mM Tris(pH7.5)と1mM MgCl2とを含む250μlの全量中で、11μlのDNase(Roche)とともに、37℃で1時間インキュベートした。その後、DNaseを50mMEDTAで不活化させ、続いて、50℃で45分間、プロテイナーゼKおよび2.5%N−ラウリル−サルコシル溶液とともにインキュベートして、キャプシドを溶解させた。DNAをフェノール−クロロホルムで2回抽出し、2倍容量のエタノールと10%酢酸ナトリウム3Mとで沈殿させた。アルカリアガロースゲル電気泳動を、以前に記載されているとおりに行った(Sambrook, J.a.D.W.R. 2001. Molecular cloning: a laboratory manual. Cold Spring Harbor, NY: Cold Spring Harbor Laboratory Press)。マーカーは、NcoIとNotIとでのpZac2.1−CMV−Abca4の二重消化によって、7835bpのバンドを生成させることによって得た。rAAV2/5−CMV−Abca4を同定するためには、プローブ2を使用し(図1B、上のパネル)、一方、他の全てのrAAVベクターDNAを同定するためには、ポリA配列に特異的なプローブを使用した。必要に応じて全てのプローブ配列を利用することができる。rAAVの形質導入後の筋肉のゲノムDNAのサザンブロット分析 DNAを、IM注射後21日目に、Hirt抽出法(Hirt extraction method)によってマウスの腓腹筋から単離した(Yang, G.S., et al. 2002. Virus-mediated transduction of murine retina with adeno-associated virus: effects of viral capsid and genome size. J Virol 76:7651-7660、Hirt, B. 1967. Selective extraction of polyoma DNA from infected mouse cell cultures. J Mol Biol 26:365-369)。DNA(30μg)をNcoIとNotIとで、またはNcoIだけで消化し、0.8%アガロースゲル上で分離し、Rediprime(商標)IIランダムプライム標識システム(Amersham)とα−32−CTPとを使用して、製造業者の説明書に従って放射標識した、プローブ1およびプローブ2で(図1B、上のパネル)、またはPDE6B遺伝子に特異的なプローブで(ローティング対照として使用した)で検出した。Cos細胞のrAAV感染 Cos細胞を、3×105細胞/ウェルの濃度になるように6ウェルプレートに蒔いた。44時間後、細胞を、10μMプロテオソーム阻害剤を含む無血清DMEM中の105GC/細胞のrAAV2/5−CMV−EGFPまたはrAAV2/5−CMV−Abca4とともにインキュベートした。48時間後、ウェスタンブロット分析のために、細胞を、剥離させることによって収集した。ウェスタンブロットによるABCA4の発現の分析 ウェスタンブロットを、網膜、およびrAAVに感染させたCos細胞について行った。網膜は、記載されているとおりに収集した(Auricchio, A., et al. J. 2002. Pharmacological regulation of protein expression from adeno-associated viral vectors in the eye. Mol Ther 6:238)。試料をSIE緩衝液[250mMスクロース、3mMイミダゾール(pH7.4)、1%エタノール、および1%NP−40]中に、氷上で30分間溶解させ、8M尿素を含む試料緩衝液中で37℃で30分間加熱することによってタンパク質を変性させ、6%SDS−PAGEによって分離させた。ブロッティングの後、特異的タンパク質を、抗ABCA4抗体(Santa Cruz Biotechnology)、抗αチューブリン抗体(Sigma)、および抗RGR抗体(mcDE5、RGRをローティング対照として使用した)を使用して標識した。感染させたCos細胞および網膜についての光親和性標識アッセイ(Photo−Affinity Labeling Assay) Cos膜からのタンパク質の抽出を、rAAVでの感染の48時間後に行った。細胞を、低張緩衝液[10mM Tris−HCl(pH7.4)および0.5mM EDTA]中で収集した。4℃で1時間の後、試料を28−G針の中を通過させて細胞を破壊させ、16000×gで1時間遠心分離した。得られた膜ペレットを再懸濁緩衝液[25mMHEPES(pH7.5)、150mM NaCl、および5mM MgCl2]中に溶解させた。] 図1B 図3 図4
[0020] タンパク質は、45%スクロース、20mM Tris−HCl(pH7.4)、1mMEDTA、2mM MgCl2、20μMロイペプチンおよび2mMPMSF(21)の100μl中で網膜をボルテックスすることによって、桿体外節から抽出した。その後、網膜を4000×gで10分間遠心分離し、上清を回収し、等量の150mM NaCl、20mM Tris−HCL(pH7.4)、1mM EDTA、および2mM MgCl2で希釈し、16000×gで1時間、再び遠心分離した。外節のペレットを30μl再懸濁緩衝液中に溶解させた。]
[0021] 光親和性標識アッセイのために、Cos膜または桿体外節由来のタンパク質抽出物を、10cmの距離にある紫外線(320nm)下で1分間、4μM 8−アジド−[α−32P]−ATP(Affinity Labeling Technologies Inc.)とともに、室温でインキュベートした(Sun, H., Smallwood, P.M., and Nathans, J. 2000. Biochemical defects in ABCR protein variants associated with human retinopathies. Nat Genet 26:242-246)。その後、試料を、SDS−PAGE試料緩衝液と、加熱せずに混合し、タンパク質をSDS−PAGEによって分解させた。8−アジド−[α−32P]−ATP標識タンパク質を、オートラジオグラフィーによってPhosphorImager(Amersham)を用いて検出した。
RPEリポフスチン色素の抽出およびHPLC分析
HPLC分析を、rAAV2/5−CMV−Abca4を一方の眼に、rAAV2/5−CMV−EGFPを対側眼に注射した、4カ月齢のアルビノマウスおよび6カ月齢の有色Abca4−/−マウス由来の眼杯について行った。月齢が一致するAbca4+/+マウスおよびBalb/cマウス由来の眼杯を対照として使用した。暗順応させたマウスの眼杯の後部(posterior eyecups)をプールし(1つの試料につき4個の眼杯)、ホモジナイズし、クロロホルム/メタノール(1:1)中で3回抽出した(Kim, S.R., et al. 2004. Rpe65 Leu450Met variant is associated with reduced levels of the retinal pigment epithelium lipofuscin fluorophores A2E and iso-A2E. Proc Natl Acad Sci U S A 101:11668-11672)。遠心分離(1000×g、2分間)後、有機抽出物を、綿およびメタノール中に0.1%TFAを含む逆相(C8 Sep−Pak,Millipore)カートリッジを通して濾過した。続いて、この抽出物を、アルゴンガス下での溶媒の蒸発によって濃縮し、50%メタノール性クロロホルム(1個または2個の眼/10μLの溶媒)中に再度溶解させ、2695 Separation Module,2996 Photodiode Array Detectorと2475 Multi λ Fluorescence Detectorを備えるAlliance System(Waters)を使用して、逆相HPLCによって分析した。クロマトグラフィーによる分離のために、分析規模のAtlantis(登録商標)dC18(3μm、4.6×150mm、Waters)カラムを、アセトニトリルおよび水勾配、ならびに0.1%トリフルオロ酢酸(90%〜100%、0分〜10分;100%アセトニトリル、10分〜20分;430nmでモニタリング;10μLの注入量)とともに利用した。HPLCのための抽出および注入は、暗赤色灯下で行った。ピーク面積の積分値(Integrated peak areas)を、Empower(登録商標)ソフトウェアを使用して決定し、眼杯1個あたりのピコモル濃度を、合成した化合物の外部標準を基準にすることによって、抽出物の全容量に対するHPLC注入量の比に対して正規化することによって計算した。A2E、atRALdi−E、およびatRALdi−PEの合成した標準物の構造は確認されている(Fishkin, N.E.,et al. 2005. Isolation and characterization of a retinal pigment epithelial cell fluorophore:an all-trans-retinal dimer conjugate. Proc Natl Acad Sci U S A 102:7091-7096、Sakai, N., et al. J.A.C. 1996. J. Am. Chem. Soc.:1559-1560、Fishkin, N., et al. 2004. Absolute configurational determination of an all-trans-retinal dimer isolated from photoreceptor outer segments. Chirality 16:637-641)。
電気生理学的記録
電気生理学的分析(ERG)を、4カ月齢のアルビノAbca4−/−マウスおよび野生型の月齢が一致するBalb/cマウスにおいて行った。Flash ERGを、Ganzfeld刺激装置(Lace)を通じて発生させた10msの閃光によって誘発した。電気生理学的シグナルを、オシブプロカイン(ossibuprocaine)(Novartis Pharma)で予め麻酔した角膜と接触するように下眼瞼の下に挿入した金メッキした電極を通じて記録した。それぞれの眼の電極の基準を、対応する前頭部のレベルで皮下に挿入した針電極とした。様々な電極を2チャンネル増幅器に接続した。180分の暗順応の後、マウスを麻酔し、体温を37.5℃に維持しつつ、暗赤色灯下で定位手術装置(stereotaxic apparatus)にゆるく取り付けた。その後、マウスを恒明に曝した。その強度は、80秒間で300cd/m2に設定した(事前順応用の光の照射(pre−adapting light)、消し去り条件(bleaching condition))。事前順応用の光の照射(0分、5分、15分、30分、45分、60分)の後、一定の間隔でb波の回復をモニターした。1cd m-2s-1の閃光に応答したb波の振幅を、事前順応用の光の照射後に測定し、事前順応用の光の照射前に測定した値に対する相対値として表わした。
電子顕微鏡による組織学的分析および免疫組織化学
マウスを、PBS(pH7.4)中の2%パラホルムアルデヒドおよび1%グルタルアルデヒドで心臓を通じてかん流させた。その後、眼球を取り出し、2%パラホルムアルデヒドおよび2%グルタルアルデヒドを含む0.1Mカコジル酸ナトリウム緩衝液(pH7.4)中で一晩固定させた。固定させた眼球を、水晶体と硝子体とを剥がして眼杯を残すことができるように切った。この眼杯を1%四酸化オスミウムで処理し、1%酢酸ウラニル水溶液で染色した。その後、標本を脱水し、Epon−812中に包埋した。それぞれの眼の側頭側(これは、注射した側に相当する)からの薄片を、Ultracutミクロトーム(Leica)上で調製した。EM画像は、FEIPhilips Tecnai−12電子顕微鏡(Philips)下でULTRA VIEWCCDデジタルカメラを使用して、薄片から撮影した。顕微鏡写真は6000×の倍率で撮影した。リポフスチン顆粒の数の定量分析を、メラノソームを示している高電子密度の大きな楕円形の構造とは異なる、リポフスチン顆粒を示している可変密度のより小さな構造を、それぞれの眼について3つの異なる光学視野についてカウントすることによって行った。RPEの厚みの測定は、1つの標本あたり20個の異なる場所で行った(10箇所は核領域にまたがって測定し、ここでは、細胞はより厚く、10箇所は細胞と細胞との境界にまたがって測定し、ここでは、細胞はより薄い)。その後、数を平均した。]
[0022] 組織学的分析のために、マウスの眼杯を摘出し、4%パラホルムアルデヒド中に浸すことによって固定し、OCT(kaltek)中に包埋した。それぞれの眼について、連続切片(11μmの厚み)を水平経線に沿って切り、各スライドに異なるレベルの眼全体の代表的な切片が含まれるように、10枚のスライド上に分配した。これらの切片をヘマトキシリンとエオシン(Sigma−Aldrich)とで染色し、網膜の組織学を光学顕微鏡によって分析した。ABCA4染色のために、組織切片を、Rim 3F4抗体(Robert S.Molday,University of British Columbia,Vancouver,British Columbia,Canadaの懇意により譲り受けた)との一晩のインキュベーションの前に、ブロッキング溶液[1×PBS、0.5%Tween−20、0.1%ウシ血清アルブミン)および10%ウシ胎児血清(GIBCOBRL−Invitrogen)とともに1時間インキュベートした。洗浄後、切片を、HRPに結合した二次抗マウスIgG(Vector laboratory)とともに1時間インキュベートし、続いて、30’DAB染色(Vector laboratory)を行った。対比染色は、ヘマトキシリン(Sigma−Aldrich)を用いて1分間行った。染色した切片をEukitt(Kaltek)上に取り付けた。
結果
rSTGDのマウスモデルでのrAAV2/5の投与は網膜の形態および機能を有意に改善する
上記の結果に基づいて、本発明者らは、rSTGDのマウスモデルにおいてAAV2/5に媒介される網膜への遺伝子導入の有効性を試験した。有色マウス(Weng, J., et al., G.H. 1999. Insights into the function of Rim protein in photoreceptors and etiology of Stargardt's disease from the phenotype in abcr knockout mice. Cell 98:13-23)およびアルビノマウス(Radu, R.A., et al. G.H. 2004. Light exposure stimulates formation of A2E oxiranes in a mouse model of Stargardt's macular degeneration. Proc Natl Acad Sci U S A 101:5928-5933)(Abca4−/−)の中のAbca4遺伝子座の標的破壊により、いくつかのrSTGDの特徴を概括する表現形が生じる:RPE中でのリポフスチンの蓄積、厚みを増したRPE細胞、ゆっくりとした光受容体の変性、および暗順応の遅れ(Weng, J., et al., G.H. 1999. Insights into the function of Rim protein in photoreceptors and etiology of Stargardt's disease from the phenotype in abcr knockout mice. Cell 98:13-23、Radu, R.A., et al. G.H. 2004. Light exposure stimulates formation of A2E oxiranes in a mouse model of Stargardt's macular degeneration. Proc Natl Acad Sci U S A 101:5928-5933、Mata, N.L., et al. G.H. 2001. Delayed dark-adaptation and lipofuscin accumulation in abcr+/- mice: implications for involvement of ABCR in age-related macular degeneration. Invest Ophthalmol Vis Sci 42:1685-1690)。rAAV2/5に媒介される遺伝子送達によってAbca4−/−突然変異の表現形の修正が生じるがどうかを試験するために、1カ月齢のマウスに、一方の眼には2μlのrAAV2/5−CMV−Abca4(1.2×109GCに相当する)を、対側眼には同じ用量のrAAV2/5−CMV−EGFPを網膜下に注射した。Abca4−/−網膜に対する遺伝子導入の影響を、特に断りのない限りは、3カ月後(動物の月齢:4カ月)に評価した。本発明者らは、最初に、網膜切片についての免疫組織化学によって組換えABCA4の発現を分析し、これが、内因性ABCA4と同様に、報告されているrAAV2/5向性から予想したとおり、光受容体の外節に適切に局在化することを見出した(図3A)。] 図3A
[0023] その後、本発明者らは、リポフスチン顆粒および厚みを増したRPEの存在のような、Abca4−/−PREの異常に対するrAAV2/5に媒介される遺伝子導入の影響を評価した。注射した領域に存在するRPE細胞の電子顕微鏡による分析によって、rAAV2/5−CMV−EGFPで処置したものと比較して、rAAV2/5−CMV−Abca4で処置したAbca4−/−網膜において、リポフスチン顆粒数の減少とRPEの厚みの減少が明らかになった(いずれも、Abca4+/+RPEにおいてみられるものと類似している)(図3Bおよび図3C)。これは、rAAV2/5に媒介されるAbca4遺伝子の導入が、Abca4−/−表現形に付随するRPEの超微細構造の異常を改善することを示唆している。] 図3B 図3C
[0024] 光受容体円板膜を越えるN−レチニリデン−ホスファチジルエタノールアミンの輸送におけるABCA4の役割(Sun, H., et al. J. 1999. Retinal stimulatesATPhydrolysis by purified and reconstituted ABCR, the photoreceptor-specific ATP-binding cassette transporter responsible for Stargardt disease. J Biol Chem 274:8269-8281、Beharry, S., et al. 2004. N-retinylidene-phosphatidylethanolamine is the preferred retinoid substrate for the photoreceptor-specific ABC transporter ABCA4 (ABCR). J Biol Chem 279:53972-53979)と一致して、Abca4−/−マウスのRPEの中に存在するリポフスチン顆粒には、ビスレチノイドフルオロフォア(bisretinoid fluorophores)A2E、オール−トランス−レチナール−ダイマー−エタノールアミン(all−trans−retinal−dimer−ethanolamine)(atRALdi−E)、およびオール−トランス−レチナール−ダイマー−ホスファチジルエタノールアミン(all−trans−retinal−dimer−phosphatidylethanolamine)(atRALdi−PE)が含まれる(Fishkin, N.E.,et al. 2005. Isolation and characterization of a retinal pigment epithelial cell fluorophore: an all-trans-retinal dimer conjugate. Proc Natl Acad Sci U S A 102:7091-7096)。フルオロフォアA2E、atRALdi−E、およびatRALdi−PEのレベルは、EGFPで処置した対側眼と比較して、rAAV2/5−CMV−Abca4で処置した、アルビノマウス(月齢:4カ月)および有色マウス(月齢:6カ月)のAbca4−/−網膜のいずれにおいても、有意に低下した(図4A)。加えて、光脱感作から回復するAbca4−/−光受容体の能力は、対照のEGFPで処置した網膜と比較して、治療用ベクターで処置した網膜において有意に改善した(図4B)。網膜の切片のヘマトキシリンおよびエオシン染色によっては、Abca4で処置した眼もしくはEGFPで処置した眼のいずれにおいても、炎症性浸潤も、また外顆粒層の厚みの減少も、いずれも明らかにならなかった。] 図4A 図4B
权利要求:

請求項1
ABCA4遺伝子の突然変異に関連する疾患に罹患している対象の網膜の異常および/または網膜機能障害を処置するための、AAV5キャプシドを有する組換えアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターであって、前記ベクターは、機能性ABCRタンパク質をコードする核酸分子を含む発現カセットを有し、前記核酸分子は、その転写および翻訳を指示する調節制御エレメントに作動可能に連結している、組換えアデノ随伴ウイルスベクター。
請求項2
前記疾患が、劣性スタルガルト病、錐体桿体ジストロフィー、網膜色素変性、および加齢性黄斑変性(AMD)から選択される、ABCA4遺伝子の突然変異に関連する疾患に罹患している対象の網膜の異常および/または網膜機能障害を処置するための、請求項1に記載の組換えAAVベクター。
請求項3
前記AAV5キャプシドを有するベクターが、9kbまでの核酸をパッケージングすることができる、請求項1に記載の方法。
請求項4
AAV2/5である、請求項3に記載の組換えベクター。
請求項5
ABCA4のコード配列が哺乳動物の網膜細胞中でのその発現を調節できるプロモーター配列に機能的に連結している発現カセットを有する、請求項1に記載の組換えベクター。
請求項6
前記ABCA4のコード配列が、配列番号1、または配列番号1と同じアミノ酸配列をコードする配列からなる、請求項5に記載の組換えベクター。
請求項7
前記プロモーター配列が、配列番号2、配列番号3、配列番号4、および配列番号5、転写プロモーター活性を保持しているそれらの断片または変異体から選択される、請求項5に記載の組換えベクター。
請求項8
眼投与に適した形態である、請求項1から7に記載の組換えベクターを含む製剤。
請求項9
注射剤の形態である、請求項8に記載の医薬組成物。
請求項10
ABCA4遺伝子の突然変異に関連する疾患に罹患している対象の網膜の異常および/または網膜機能を修正するための方法であって、1)AAV5キャプシドを有する組換えアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを提供するステップであって、前記ベクターは、機能性ABCRタンパク質をコードする核酸分子を含む発現カセットを有し、前記核酸分子は、その転写および翻訳を指示する調節制御エレメントに作動可能に連結している、ステップと、2)光受容体細胞に前記組換えAAVベクターを形質導入し、それによって、ABCRタンパク質の発現が前記細胞中で誘導されるステップとを含む方法。
請求項11
前記対象がヒトである、請求項10に記載の方法。
請求項12
前記疾患が、劣性スタルガルト病、錐体桿体ジストロフィー、網膜色素変性、および加齢性黄斑変性(AMD)から選択される、請求項10に記載の方法。
請求項13
AAV5キャプシドを有する前記ベクターが、9kbまでの核酸をパッケージングすることができる、請求項10に記載の方法。
請求項14
前記ベクターがAAV2/5血清型である、請求項13に記載の方法。
請求項15
前記AAV5キャプシドを有する組換えアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターが、ABCA4のコード配列が哺乳動物の網膜細胞中でのその発現を調節することができるプロモーター配列に機能的に連結している発現カセットを有する、請求項10に記載の方法。
請求項16
前記ABCA4のコード配列が、配列番号1、または配列番号1と同じアミノ酸配列をコードする配列からなる、請求項15に記載の方法。
請求項17
前記プロモーター配列が、配列番号2、配列番号3、配列番号4、および配列番号5、転写プロモーター活性を保持しているそれらの断片または変異体から選択される、請求項15に記載の方法。
請求項18
光受容体細胞の形質導入が、前記ベクターまたはその製剤の網膜下投与によって行われる、請求項10に記載の方法。
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引用文献:
公开号 | 申请日 | 公开日 | 申请人 | 专利标题
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